アメリカもそう来たか

http://www.asahi.com/international/update/0824/TKY200708240002.html

この件、二つほど言いたいことがあるんですが、まずはアメリカの認識について。原文はこちらから。

その敵は自由を嫌い、米国や西欧諸国への怒りを心に抱き、大量殺人を生み出す自爆攻撃に走った。
アルカイダ9・11テロではない。パールハーバーを攻撃した1940年代の大日本帝国の軍隊の話だ。

The enemy who attacked us despises freedom, and harbors resentment at the slights he believes America and Western nations have inflicted on his people. He fights to establish his rule over an entire region. And over time, he turns to a strategy of suicide attacks destined to create so much carnage that the American people will tire of the violence and give up the fight.

If this story sounds familiar, it is -- except for one thing. The enemy I have just described is not al Qaeda, and the attack is not 9/11, and the empire is not the radical caliphate envisioned by Osama bin Laden. Instead, what I've described is the war machine of Imperial Japan in the 1940s, its surprise attack on Pearl Harbor, and its attempt to impose its empire throughout East Asia.

まるで真珠湾攻撃で日本軍がカミカゼ特攻をやらかしアメリカ民間人を殺害したような文章だ。確かに真珠湾も成功の可能性の低い特攻だし、撃墜された機の乗員は英雄扱いを受けましたが、戦争末期のカミカゼと混同されてるんじゃないか?一応時系列
真珠湾攻撃 1941/12/8
特攻作戦の決行指示1944/7/21
あと、真珠湾攻撃の標的はあくまでアメリカの海軍であって、民間人ではなかった。9.11と一緒にされるのはさすがにおかしいだろう。真珠湾攻撃はその「奇襲」という側面においてはアメリカの立場から非難されてしかるべきと思いますが、そのほかは通常の戦争行為であり、こんなハナシの出汁に使われるいわれはない。

怖いなあと思うのはこれがアメリカの公式な発言としてまかり通ってるっぽいこと。朝日は
>粗雑な歴史観を露呈した。米軍撤退論が勢いを増す中でブッシュ氏の苦境を示すものでもある。
とかブッシュ個人の問題みたいな書き方ですが、アメリカ大統領の発言・それも公の場での演説を誰もチェックしてないはずはなく、アメリカ(あえて絞るならばコンサバティブ陣営)の認識はこういうことだというのを示すものなんだろうと。パールハーバーの伝説が一人歩きして、事実ではないことまで広まってしまうのはお互いにとって不利益だと思うのですが、特に何もできません。個人は無力だ。